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社会イノベーション

    • ライフ&エコノミー
    • 都市開発

    1980年代以降、中国の都市部は急速な発展を遂げ、人口密度が急激に高まっている。2010年には、中国の都市部は高齢化社会に突入し、人口過密問題も日を追うごとに深刻度が増している。例を挙げると、広州市の中心に位置する越秀区では平均人口密度が30,000人/㎢を超えるほど高くなっており、高齢化も大きな問題となっている。区内には7階~9階建ての古いマンションが数多く存在するが、そのほとんどにはエレベーターが設置されていない。日常生活には階段を使うほかなく、住民たちの大きな負担となっている。

    中国では、住宅にエレベーターが無く、階段を使用している人々は2億~3億人に上るという。高齢者が増加する都市部において、生活の質を向上させるため、昇降システムをどのように活用できるか?これは、都市再生の重要なテーマの一つである。

    「日立電梯は、広州と共に25年の歳月を歩み、共に発展を遂げてきました。今では私たちと広州は、共存共栄の関係にあります。都市部の発展に伴い、既存の都市空間では現代社会のニーズを満たすことが難しくなってきています。既存空間を生かすため、エレベーター専門製造業者として、私たちには都市部へ昇降機の新たなサービスを提供する義務があります。」(日立電梯(中国)有限公司 周 雲翔)

    日立電梯(中国)有限公司 周 雲翔

    事例の概要

    • 課題
      急速に発展した都市部ではエレベーターが設置されていない集合住宅が多く、特に高齢化した生活者にとって大きな負担となっている。しかし、住民がエレベーターの設置に関連するさまざまな問題を自ら解決するのは困難なため、専門的な指導とサービスの提供が可能なパートナーを必要としている。
    • ソリューション
      日立電梯は専門チームを立ち上げ、古い集合住宅への設置に適した「日立増設型専用エレベーター」の設計と開発を行った。また、遠隔監視センターを開設し、エレベーターの24時間管理サービスも提供することで、設置後の不安を解消した。
    • 成果
      エレベーター設置後、住民からは「幸せを運ぶエレベーターが付いた」と喜びの声が上がっている。日常生活の不便さを解決しただけでなく、日立電梯とメンテナンス契約を結ぶことで、住民が日々の保守・メンテナンスについて心配する必要がなくなった。
    • 展望
      日立電梯は、住民のQoL向上と、安全・安心なくらしを実現するために、都市や社会の課題解決に貢献するエレベーター事業を強化していく。

    課題

    住居ごとのニーズにより、企業に求められる方針転換


    広州茘湾区彩虹街社区の住民

    古い集合住宅へのエレベーター増設サービスは、B2B事業を専門としてきた日立電梯にとっては新たな挑戦だった。近年、日立電梯の事業は大口調達に対応した製品設計だけでなく、個別に対応する製品設計、施工、監督、製造および保守・メンテナンスへとニーズが移行してきた。そこで日立電梯は、エレベーターの開発・製造業者から総合サービス提供業者として方針を転換し、古い集合住宅へのエレベーター増設工事用にカスタマイズした新しいソリューションを開発していくことになった。

    「住民にとってエレベーターの増設はとても大変なことです。だから工程全体を通じて私たちの不安を取り除いてくれるエレベーターの専門家を見つけなければなりませんでした」

    「毎日家族がエレベーターに乗るため、一番重要なのは安全、次にコストパフォーマンスです。結局自分たちで支払うのですから。それから、設置後のメンテナンスは誰がやるのでしょうか?運転の安定性も大切です。また、高層階の住民はエレベーター機械室の騒音が気になりますし、低層階の住民は採光が気掛かりです。要するに、住民ごとにニーズが異なるわけです。そのため、それら全てを解決してくれる製造業者を見つけることが必要だったのです」(広州茘湾区彩虹街社区の住民の声)

    ソリューション

    自社リソースを統合し、さまざまな視点から古い住居向けの増設ソリューションを提供

    日立電梯をパートナーとして選んでもらうには、まず、住民が抱くエレベーター増設に関するさまざまな心配を取り除くことが重要だった。当初、日立電梯には総合サービス提供業者としての認知や理解が少なかった。そこでさまざまなコミュニケーションツールを利用し、マーケティング活動を実施した結果、ようやく、エレベーターの設計だけでなく、認可取得から保守・メンテンナンスまでの全工程を担うことができる企業であると理解を得始めた。


    日立電梯(中国)有限公司 邓 绍伟



    エレベーター増設を必要とする古い集合住宅の現地調査を行い、住民のニーズに応えるために専門チームを立ち上げ、綿密な話し合いを通じ、「日立増設型専用エレベーター」の設計と開発に取り掛かった。また自社の持つ優れたリソースを統合することで、より高品質な製品の提供を可能とした。施行現場では溶接をしないブロック組立方式を採用することで、環境負荷を抑えるとともに施工時間の短縮化を図り、住民の生活への影響を低減させることができた。さらに、エレベーターピットを浅く設計することで、増設空間を有効利用し、地下配管の複雑化を防いだ。



    エレベーター増設完成後は、ELECLOUD®というサービスセンターが、24時間運転状況を監視し、技術者による緊急メンテナンスと日常の保守点検を適宜実施する。また、不動産管理業者が常駐していない多くの古い集合住宅でも、安全で安定したエレベーターの運転を保障する。このようにして、日立電梯は社会に必要とされる安全、安心、快適、スマート化を実現した。

    成果

    幸せを運ぶエレベーターで住民生活の幸福度が向上

    ある住民は次のように生活の変化を語る。 「エレベーター設置後、私たちはこれを幸せを運ぶエレベーターと呼んでいます。みんなとても便利だと思っていますよ。特に高齢者と子どもがいる家庭でも、階段の上り下りが問題ではなくなりました。もう少しすると、ご近所さんたちが涼みにやって来るんですけど、便利ですね。

    それに、メンテナンスサービスも良いですね。この前、マンションで日立電梯の蔡さんにばったり会いましたよ。この間もメンテナンスに来たばかりだけど、また来てくれたの?と声をかけました。蔡さんは、遠隔監視システムでこのエレベーターの扉がスムーズに閉じないことに気付いたんだけど、何か挟まっているかもしれない、って言っていました。私たちが気付かないことを、もう知っていたんですよ。それで、最近私たちは日立電梯とフルメンテナンス契約を結びました。本当に良かったです。これで今後の心配も全部解決です。」 (広州茘湾区彩虹街社区の住民)



    展望

    住民の安全・安心のために、都市や社会と共にエレベーター事業を発展させる

    日立電梯は、ここ広州のような現代社会のニーズを満たす昇降機ソリューションを提供し続けるために、製造業者から総合サービス提供業者へと方針転換を行い、これからも邁進する。エレベーター増設事業を拡大し、都市再生を推進することで、都市の新たな経済的価値と社会的価値を生み出すこと。それが、日立電梯がめざす社会への貢献である。

    動画:幸せを運ぶエレベーターの設置で、都市と共存共栄 (中国)

    公開日: 2020年3月(原文は2020年1月に公開)
    ソリューション担当: 日立電梯(中国)有限公司

      I am Hitachi 2019 CHINA
      高齢者に幸せのエレベーターを