サイバーセキュリティやIoT(Internet of Things)などの技術を基盤とした「超スマート社会」*の実現には、高度化・複雑化するセキュリティニーズへの対応が不可欠なものとなっています。そうしたニーズに応えるため、慶應義塾大学と日立は、高度化・大規模化するサイバー攻撃に対するセキュリティ運用管理や個人情報の安全性に関連する技術の開発などの共同研究を開始しました。
慶應義塾大学は、グローバル情報社会の最重要課題であるサイバーセキュリティ分野の社会課題に取り組むため、サイバーセキュリティ研究センターを設置しました。同センターでは、サイバーセキュリティの課題解決をはじめ、セキュリティ教育、政策の提言など、新しい成果をめざす拠点として期待されています。また、日立はセキュリティ分野に関わる技術開発を推し進めるとともに、この分野の国際的な組織にわが国で初めて加盟するなど、国内のセキュリティ向上に取り組んできました。ところで、多種多様なシステムが相互につながる「超スマート社会」を実現しようとする動きがすでに始まっていますが、その実現に向けてはセキュリティに対するニーズが高度化・複雑化することから、工学的な観点に加え、人文科学的、法制度の観点を含む、多方面からの研究が必要となってきます。そうした動向を見据え、インターネットやIoT技術の進展に25年以上にわたり大きく貢献してきた慶應義塾大学と、マルウェアからシステムやネットワーク環境を保護する技術をはじめ数々のセキュリティ技術を実用化してきた日立は、それぞれの実績や強みを生かしながら共同研究を行うこととしました。今後は、世界最高水準のセキュリティ技術の確立をめざすほか、技術運用のためのセキュリティ教育や、技術利用に関わる法整備を含む制度の提言なども視野に入れ、さまざまなテーマで連携を強化していきます。