個人情報保護法の改正によって、匿名化したパーソナルデータの利活用ニーズが拡大することが見込まれる一方で、個人情報保護の観点から、より安全に匿名化を行うことが求められています。そうしたニーズに応えるため、日立は、パーソナルデータを暗号化した状態で安全に匿名化する技術を開発しました。
ビッグデータの利活用が進む中、個人情報保護法が改正されたことを受け、個人が特定できないようにパーソナルデータを匿名化した情報を、第三者の利用が可能になりました。今後、高精度な市場調査への利用など、こうした匿名化したパーソナルデータの利活用が拡大していくと見込まれています。また、ビッグデータの分析では、クラウドの活用が広がっていますが、パーソナルデータのような機微なデータの取り扱いに際しては、より高い安全性が要求されます。しかしながら、従来の匿名化技術では、暗号化したデータをそのまま匿名化することができず、一度暗号を解除(復号)する必要があったため、セキュリティ上の課題となっていました。そこで日立は、パーソナルデータを暗号化し、クラウド上では暗号化状態を維持しながら匿名化を実現する技術を開発。さらに一般に暗号化状態を維持したままのデータ処理は、暗号化しない場合と比べ、極端に処理速度が低下しますが、日立独自の検索可能暗号技術を用いることにより、実用的な処理速度を確保することにも成功しました。今後は、パーソナルデータの安全な利活用の拡大に向け、開発した匿名化技術の実用化を進めていきます。
今回開発した技術の概要イメージ図