Hitachi

データ分析速度を最大100倍に高速化する
処理技術を開発

日立は、ハードウェア(FPGA*1)の内部メモリを活用してデータを高速に処理するためのデータベース管理システムと、FPGA内でデータを高速に並列処理する技術を開発。この技術を使用しない場合と比較して、データ分析速度を最大100倍に高速化することに成功しました。

セルフサービス分析に求められる高速処理を可能に

これまではデータサイエンティストなどの専門家に依頼していた、大量データの分析業務を自分自身が行うセルフサービス分析が近年、注目を集めています。例えば、銀行の窓口担当者が、来店した顧客から聞き取った情報をその場で分析システムに入力して、その分析結果を踏まえた商品を提示するというのも事例の一つ。こうしたセルフサービス分析を実現するための課題となっていたのが、リアルタイムデータ分析システムのデータ処理性能でした。日立では、その解決に向けてデータベース管理システムと並列処理技術を開発して、データ分析速度を最大100倍に高速化することに成功。また、今回開発した2つの技術を、ビジネス分析ソフトウェアPentaho Business Analytics*2とデータを格納するフラッシュストレージ*3と組み合わせることで、リアルタイムデータ分析システムのプロトタイプを構築しました。日立は、超高速データベースエンジンを搭載した、高速データアクセス基盤「Hitachi Advanced Data Binderプラットフォーム」*4に本技術を導入し、データ分析処理の一層の高速化をめざすとともに、ビジネスの現場においてリアルタイムデータ分析システムの検証を行い、業務効率向上の実現に貢献していきます。

*1
FPGA:Field Programmable Gate Array
製造後に購入者や設計者が構成を設定できる集積回路。特定用途向けの集積回路と比較して低コストで開発が可能。
*2
Pentaho Business Analytics:
データ分析方法の指定やデータ分析結果の閲覧を行うためのソフトウェア
*3
フラッシュストレージ:
データ記憶媒体としてフラッシュメモリを用いたストレージ装置
*4
内閣府の最先端研究開発支援プログラム「超巨大データベース時代に向けた最高速データベースエンジンの開発と当該エンジンを核とする戦略的社会サービスの実証・評価」(中心研究者:喜連川 東大教授/国立情報学研究所所長)の成果を利用。
  • 公開日: 2016年8月3日