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インド市民の現金流通環境を向上させる 共同利用型ATM「日立マネースポット」

2020年3月17日 編集部
動画:Hitachi Money Spot ATMs: Empowering Citizens through improved payment infrastructure

インド政府は、社会や経済発展のための金融包摂の取り組みとして、「国民皆銀行口座プロジェクト(Jan-Dhan Yojana)」および「直接口座振込プロジェクト(Direct Benefit Transfers)」により、インド市民の日常生活における現金流通環境を向上させるための整備を進めています。しかし、郊外や地方では、銀行口座からお金を引き出せるATMがあまり普及していないため、現金が必要なときでもすぐに引き出せないといった不自由な生活を強いられていました。そこで日立は、インド市民の日常生活における現金流通環境などの金融サービスの向上を目的に、日立がこれまでグローバルで培ってきた金融分野におけるOT(制御・運用技術)とITの知見を生かして、インドの郊外や地方に住む人々でも手軽に金融サービスを利用できるようにした共同利用型ATMサービス「日立マネースポット」を提供しています。

  • 経済活動に必要な金融サービスをすべての人々が利用できるようにする取り組み。

効率的にATM設置を可能にする日立のソリューション

インド国内の銀行は、金融包摂の改革を軸として、郊外や地方にも金融サービスが行き届くように力を入れています。しかし、インドの中央銀行であるインド準備銀行(RBI)が制定している運用に関するガイドラインの改訂によって、ATM運用に関するコストが増大したために、もともと低いATMの普及がさらに遅れる事態となりました。

そこで、インドで現金やあらゆるチャネルに対応した決済サービスを提供する「日立ペイメントサービス社」は、インドの優良なノンバンクの1つとしてインド準備銀行から認可を受け、人口5万人以下の町へ集中的に共同利用型(ホワイトラベル)ATMサービス「日立マネースポット」を設置してきました。ホワイトラベルATMの設置とその後の運営にあたって重要なことは、設置する場所や稼働率によってATMの収益に大きな差が出てしまうため、より良い場所の選定や稼働率向上を実現するための効果的な管理を実現すること。そこで日立は、これまで長年にわたって培ってきたOTとIT、データ分析の経験を生かした「ワーク・ベンチ・マネジメント・システム」を設計しました。

ワーク・ベンチ・マネジメント・システムの特長
  • 効率の良い最適なATM設置場所を選定
  • 現金補充に関する効率性向上のためのマネジメントを実現
    • 現金の減り具合を予測するツールを独自開発
    • 直近3か月分の入出金データを分析し、最適な補充額の割り出しが可能

決済サービスの改善による市民生活の変化

日立は、インドの金融改革を促進するために、まず地方において、2,500台以上のホワイトラベルATMサービスをその地域における最適な場所に設置しました。これにより、これまで金融サービスを利用することが難しかった地方の人々が、現金の引き出しや口座情報の確認などのサービスを容易に受けられるようになりました。

インドの社会や経済のさらなる発展には、引き続き安定した現金流通環境やデジタル技術を活用した決済インフラとそのネットワークの構築が必要となります。日立はインドでの、ホワイトラベルATMサービス「日立マネースポット」やデジタル技術を活用した決済サービスの提供を通じて社会イノベーション事業を拡大、インドの発展に貢献していきます。