サルディーニャ島で最も自然豊かな地域・スゴルゴーネの泉を水源とするオリエーナでは、水道設備の老朽化に伴う漏水が多発し、水の供給が不安定になっていました。水道水の損失を減らす方法を探り、持続可能な供給体制を確立することが地域の課題となっています。
2016年、イタリアのサルディーニャ島で水道事業を手がけるアッバノア(Abbanoa S.p.A)社は、日立とオリエーナ議会の支援を受け、オリエーナにおける水供給の状況改善に向けた試験的な取り組みを開始しました。
「オリエーナモデル」と名づけられた日立のソリューションは、配水管内の圧力管理と空気の制御、圧力変動の防止に重点的に取り組むことで、漏水を低減し、配水効率を高めるものです。
日立の知見とアッバノア社をはじめとする関係者の緊密な連携により、従来の問題を解決しただけでなく、オリエーナの配水ネットワークの効率化と安定化を実現しました。
オリエーナ地区の水道水の損失を約50%低減し、主要ポンプ場の改善によって大幅な省エネルギー化を実現しました。
オリエーナモデルは、2017年のイタリア・ベスト・プラクティスに選ばれています。
オリエーナモデルの成功を受け、同様のプロジェクトがサルディーニャ島の全域に広がりつつあります。2017年には30の自治体で、2018年には100、2019年にはさらに100の自治体が実施に踏み切り、島全体の節水と水供給の改善に向けて取り組んでいます。