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日立がスタートアップ向けコンテストを開催 「協創」で脱炭素社会の実現めざす

2022年3月30日 小野寺 彩乃
日立がスタートアップ企業向けコンテストを開催

日立製作所は、事業活動におけるCO2排出量の状況を把握・管理する「カーボンマネジメント」をテーマに、協業相手を募るスタートアップ企業向けのコンテストを開催し、2022年3月23日に最終選考をオンラインで行いました。

同コンテストでは、「環境データの収集」と「環境データを使った新サービス」の2つのカテゴリーについて、事業アイデアを募集。国内外のスタートアップ企業から83の応募がありました。その内、一次審査と二次審査を通過した8社が最終選考に進出し、最終的に3社が優勝しました。

日立は、優勝したスタートアップ企業との事業化を見据えて、継続的に議論を行う予定で、脱炭素社会の実現に向けたソリューション開発に弾みをつけたい考えです。

増加する「オープンイノベーション」

企業に対して気候変動問題への早急な対応が求められる中、「カーボンマネジメント」が注目を集めています。カーボンマネジメントとは、事業活動におけるCO2排出量の状況を把握するだけでなく、CO2排出量の削減に貢献する活動を管理することです。この考え方を導入して、世の中の脱炭素化に貢献しようとする動きが活発化しています。

こうした中、日立はカーボンマネジメントをテーマにしたスタートアップ企業向けのコンテスト「Innovation Challenge for Carbon Management | Startup Challenge」を開催。2021年12月に事業アイデアを募集し、今年2月6日までに国内外のスタートアップ企業から83の応募がありました。

近年、企業や自治体において、こうした動きが増えており、自社以外の組織が持つ知識や技術を相互活用して新しい事業を立ち上げる「オープンイノベーション」が広がりを見せています。

コンテストの運営を担当する若林秀明さんは、日立がオープンイノベーションを行う理由について「社会課題の解決をめざすには、日立の持っている技術だけでなく、さまざまな技術や知見を持ったパートナーの皆さまとの協創が不可欠だと感じています」と話します。

グラフやデモを使って事業をアピール

参加企業はデモ画面を用いるなどして事業アイデアを説明した

最終選考では、2次審査を通過した8社が、5分間のプレゼンテーションを行い、グラフを使ったり、デモ画面を操作したりして、事業アイデアをアピール。その後の質疑応答では、審査員からビジネスモデルや競合他社との差別化のポイントなど、さまざまな質問が投げかけられました。

全てのプレゼンテーションが終わり、審議を経て、優勝した3社が発表されました。選ばれたのは、サプライチェーン全体のCO2排出量のデータを自動で収集・管理するプラットフォームを提案したArundo Analytics社、同様に排出量データの収集・管理をブロックチェーンを用いて行うサービスを提案したCircularTree社、そしてCO2を吸収する農業や保護林、海洋植物などのデータを収集・管理し、排出権取引に活用する事業を提案したLeet Carbon社です。

CircularTree社のギュンター・ウォールデンCEOは、「今後、日立と議論を続けられることをうれしく思います。カーボンフットプリント(製品の生産から廃棄に至る過程で排出されるCO2の総量)は、私たちが目にしている非常に大きな課題です。世界をより良い場所にするべく、この問題に取り組んでいきたいと思います」と今後への意気込みを語りました。

優勝3社の評価ポイントは?

最後に参加企業、審査員らがオンライン上で記念撮影

審査員長を務めた日立製作所の森田歩本部長は、最終選考を総括して、「8社のプレゼンテーションのうち、具体的な取り組みが進んでいる企業の提案にはインパクトがありました。なぜかと言えば、実体験として課題を感じ、理解できているからだと思います」と述べました。

その上で、優勝した3社が評価された点について、次のように語りました。

「Arundo Analytics社は、すぐにでも日立のビジネスとして応用できそうだと感じました。また、CircularTree社は、すでに自動車メーカーと協創しており、大規模なサプライチェーンで取り組む難しさや課題についてのエピソードには納得感がありました。Leet Carbon社については、他の7社と比べて際立って面白く、今後の可能性を感じられた点が評価されました」

日立では今後、優勝したスタートアップ企業3社との事業化を見据えて、継続的に議論を行う予定です。