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日立、大阪市内の無印良品で「インフルエンザ流行予報サービス」の実証実験
新型コロナウイルス第8波への警戒が強まる中、インフルエンザとの同時流行が懸念されています。厚生労働省は、同時流行により1日の最大の感染者数として計75万人(新型コロナウイルス感染者:45万人、インフルエンザ感染者:30万人)を想定し、同時流行に向けた感染対策を呼びかけています。
こうした中、日立は11月28日、「無印良品 グランフロント大阪」で、インフルエンザの流行予報情報を投影したモニターを店内に設置する実証実験を開始。来店客に流行予報情報を提供すると同時に、無印良品の湯たんぽやスープなどをモニターの横に設置することで、来店客の予防意識を向上させることが狙いです。
流行予報を投影したモニターを設置
食料品や日用品などを買い求めに年間60万人以上が訪れる「無印良品 グランフロント大阪」。店内には、インフルエンザの流行予報情報を投影したモニターが設置され、来店客は、大阪市内で予想されるインフルエンザの流行状況を4段階で2週間先まで確認することができます。流行予報情報には、AIを使って予測する日立の「感染症予報サービス」が活用されています。
無印良品を展開する良品計画の竹山尚さんは、「世界各地では、新型コロナウイルスだけでなく、インフルエンザの流行にも備えています。来店されたお客さまに流行予報情報を提供することで、インフルエンザに罹患しないよう注意を促すなど、お客様の快適な暮らしに貢献したいです」と話します。
モニターの横には、週替わりで「食べる」「眠る」「歩く」「きれいにする」「温める」をテーマにした商品を陳列しています。
「マスクや湯たんぽなどといった商品をモニターの横に置き、無印良品が考えるこの季節の暮らしに役に立つ商品の提案をします。今週のテーマは『食べる』で、ミネストローネスープなどを用意しています。スープを飲んで、体も心も温めて規則正しい生活を送る。そうすれば健康的な暮らしにつながるのではないかと考えています」(竹山さん)
「感じ良い暮らしと社会」を実現
竹山さんは、実証実験のきっかけについて、良品計画が取り組む「社会や人の役に立つ」という方針に関係しているといいます。
「2021年に新たに策定された中期経営計画では、無印良品の店舗が地域社会の課題解決に取り組むことなどを示しています。お客さまにインフルエンザの流行予報情報を店内で提供し、感染予防に寄与することは、その一環です。さらに、弊社がめざす『感じ良い暮らしと社会』を実現する上でも、重要だと考えています」
こうして始まった実証実験ですが、社内からは当初、流行予報情報に触れた来店客が不安を感じる可能性を指摘されるなど、店内で情報提供することに懸念の声があったといいます。
「そこは説得をして、地域の役に立つ取り組みであるということを理解してもらうようにしました」(竹山さん)
天気予報と同じように情報発信を
この日、0歳の子どもを連れて買い物に来た大阪市在住の30代女性は、「感染対策に役立つと思います」とした上で、次のように話します。
「こういう情報があると、『インフルエンザがはやる』と頭を一瞬よぎるので、多くの人々がインフルエンザを注意するきっかけになりますよね。スープを買って、体の中から温かくします」
また、西宮市在住の30代女性は、「流行予報情報は見たことがなかったので、天気予報と同じようにどんどん情報発信してほしいです。ふらっと買い物にくる中で、こういう情報が店内にあると、感染対策としてすごくいいと思います」と述べています。
「無印良品 グランフロント大阪という大阪の中心部で、このような情報を発信することでより多くのお客様のお役に立てるのではないかと考えました。まだ始まったばかりですが、お客さまの動向を見ながら試行錯誤していきたいと思います」(竹山さん)
罹患リスクの低減に貢献する
将来のインフルエンザの流行情報を提供し、罹患リスクの低減に貢献する「感染症予報サービス」。 日立で同サービスの事業開発を担当する中川慎太郎さんは、今後の抱負について、次のように語っています。
「商品の売り上げや来店客の声など色々なものをデジタル上で分析していきます。その結果をサービスのバージョンアップに反映し、利便性を上げることで、利用者にとって更に価値のあるサービスにしていきたいです。私たち日立グループは引き続き、本サービスのような『社会イノベーション事業』を通して、人々の役に立っていきたいと思います」
実証実験は2023年2月中旬まで行われる予定です。