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社会イノベーション

「ハイブリッド型」の働き方で生産性を上げる秘訣

THE SIMPLE DOLLAR • BY TRENT HAMM

コロナ危機の影響が続く中、多くの方がリモートワークを継続しています。日々こなす仕事の内容が同じでも、リモート環境ではやり方は大きく変わったはずです。オフィスとは異なる環境で、いかに生産性を保つのか模索している方も多いでしょう。ほぼ全てのミーティングがオンラインで行われ、業務の合間のちょっとした立ち話もできないため、社内の連携を維持するのも容易ではありません。

こうした中、皆さんの多くは危機の収束後に仕事のあり方がどのように変わるのか、大きな関心と不安を抱いているはずです。現在行われているリモートワークは、果たして私たちの働き方や雇用に永続的な変化をもたらすのでしょうか?

筆者は長年自宅で働く生活を続けていますが、新たな仕事環境への適応に苦労している友人や仕事仲間を沢山知っています。そしてこの数週間、彼らとこの問題について会話を重ねてきました。本記事では、こうした経験を元に、リモートワークと働き方の未来について紹介します。

在宅勤務には向き不向きがある

リモートワークが続く中、私のように生産性の高い仕事環境を(若干の試行錯誤の後)自宅で実現できる人もいるでしょう。筆者も会社へ通っていた時期がありますが、その頃と比較しても在宅勤務をしている今の方が効率良く仕事ができていると思います。もしオフィス勤務に戻ることがあれば、時間・日・週ごとの生産性は大きく低下するはずです。その一方で、全く正反対の経験をしている人もいるでしょう。自宅で効率的に仕事をこなすのが難しく、(様々な理由から)オフィスの方が実力を発揮できる人たちです。在宅勤務が向いているかどうかは、個人の性格や適性に大きく左右されるのです。

コロナ危機によって在宅勤務が続く今、経営者の多くはこうした現実を目の当たりにしていることでしょう。もちろん在宅勤務への適応に苦労しているからといって、その人への評価が下がるわけではありません。しかしオフィスよりも自宅の方がはるかに効率良く働ける人もいることは、経営者に新たな気づきとアイデアをもたらしているはずです。

優れた経営者はこの危機を生産性向上・コスト削減の機会と捉え、在宅勤務の常態化を進める

過去数ヶ月の間で、自分にやリモートワークの方が向いていると感じた人も少なくありません。この機会に、今までの働き方を変えようとする人もいるでしょう。自宅などオフィス以外の環境でこれまでと同様(あるいはそれ以上)の生産性を実現できる場合、現在の働き方を可能な限り続ける方が経営者にとってもプラスになります。勤務スペースを確保する必要がなくなり、業務管理に費やす時間も削減できるなど、企業にとってリモートワークはコスト・時間面でのメリットが大きいのです。

明確なコミュニケーションの重要性はさらに高まる

オフィス環境がもたらす最大のメリットは、お互いがどんな業務を手がけているのか一目で分かり、同僚間や上司・部下間のコミュニケーションや連携もしやすいことです。しかしリモートワークの場合、情報伝達がオフィスほど簡単ではありません。在宅勤務やオフィス外での勤務が今後急速に普及すると、上司や同僚との情報共有の質を高めていけるようなコミュニケーションがさらに重要となるでしょう。

こうしたニーズに対応するコミュニケーション支援ツールは、すでに数多く出回っています。例えばSlackはコミュニケーション・連携ツールとして多くの企業で利用されており、過去数ヶ月でビデオ会議も急速に広まっています。ただし、こうしたツールを活用して円滑なコミュニケーションを実現するためには、様々な課題を克服しなければならないのが実状です

ハイブリッド・ワークの出現と普及

リモートワーカーとオフィスワーカーの連携を円滑にするコミュニケーションツールは、今後も急速に進化を遂げるでしょう。上述のとおり、こうしたツールはすでに存在しますが、有効な活用法は必ずしも確立されていません。しかし時間が経つにつれてノウハウが蓄積され、リモートワークやコミュニケーションの効率化が進むでしょう。

筆者はリモートワーク体制の整備に積極的な大企業で働く友人がいます。これまで彼女の勤務先では従業員が1日に1回集合し、各自が手がける業務や関連情報のリクエスト、サポート依頼などを共有するミーティングを行っていました。しかし現在は1日2度(昼前と夕方)に回数を増やし、オンラインで開催しています。このミーティングを除いたオフィス内のコミュニケーションは、全てEメールで行うそうです。

またこの会社では毎日2〜3時間程度の“オフィスアワー”を設定し、この時間内はEメールの常時チェックや同僚間・小グループで行うビデオ会議への出席を義務化。それ以外の時間は、こうしたタスクに縛られることなく自分の業務に集中してよいという決まりを設けています。15〜20分程度のビデオ会議に1日2回出席し、2時間程度のバーチャル環境の“オフィスアワー”を作れば、誰でも自分の好きなようにスケジュールを組むことができるのです。

この仕組みは同社のある役員が以前から考えていたもので、この機会を利用して導入に踏み切りました。彼女はこの新たな働き方を非常に気に入っており、(リモートワーク特有の問題もありますが)仕事の効率もオフィス勤務の頃より上がったため、今後もこの働き方を続けたいと考えているそうです。

現在様々な企業がこうした取り組みを進め、多くの従業員に受け入れられています。業務の多くをリモートワークでこなして週に1〜2度オフィスで働く、いわば“ハイブリッド・モデル”が今後普及する可能性は高いでしょう。

変化がもたらす影響

リモートワークの普及と常態化がさらに進む今後、働く環境はどのように変わっていくのでしょうか?次のようなポイントを念頭に置きながら、コロナ危機後の働き方について考えることをお勧めします。

まず1つ目は、在宅勤務の生産性を上げるための投資を今行えば、長い目で見て大きな効果を期待できるということです。リモートワークを今後も続けたい場合は、特に効果が高いでしょう。自宅とオフィスのどちらを選ぶかは人によりますが、在宅勤務がより広く受け入れられることは間違いありません。様々な働き方で柔軟に業務をこなす能力を身に付ければ、今後のキャリアで大きな強みとなるはずです。

2つ目は、勤務先がリモートワークに初めて取り組んでいる場合、提案やフィードバックを積極的に共有すべきだということです。リモートワークのうまくいっている部分とそうでない部分を、個人あるいはオフィス全体の観点から上司に伝えることは特に重要です。これまで経験したことのない状況を目の当たりにし、企業や上司も手探り状態で取り組みを行っているのが現状です。新たな働き方がもたらすメリットや課題について、組織内の共通理解を深めることが求められるのです。

フィードバックを共有する際にはいくつかの点に留意する必要があります。まず何よりも重要なのは、取り組みの難しさを認識し、新たな仕組み作りに努力している人々へ感謝の意識を持つことです。誰も経験したことのない危機に直面し、多くの人が不安やストレスを抱えている中で、(課題はありながらも)リモートワークを機能させているというだけでも称賛に値するはずです。

また課題だけでなく、うまくいっている部分に目を向けることも重要です。何かが問題なく機能している時、そのことに気づくのは意外に難しいものです。プラス面にも意識を向け、そのことを周囲へ積極的に伝えて下さい。そして問題がある場合には、解決法を考えて提案して下さい。うまくいかない部分についてただ不平を言うのではなく、どうすれば改善できるのかアイデアを出すことが求められるでしょう。

そして、謙虚な姿勢で自分の意見・提案を共有することも重要です。あらゆる問題の答えや解決法を知っているという態度で振る舞うことは避けましょう。提案をする時は、「色々と考えて調べたけど、こうすれば問題を改善できると思う。あなたの仕事環境をきちんと把握できているわけではないけれど、私の環境ではうまくいきそうな気がする」といった控えめな言葉遣いが効果的でしょう。自分のエゴを前面に出すことなく、本当の意味で価値ある情報を共有できれば、会社にとっても意義深い提案となるはずです。

新たな働き方について考える際の3つ目のポイントは、自分がこなした業務について記録する習慣をつけることです。内容が完璧でなくても構いません。リモート環境で毎日どのような仕事をしたのかをログとして残し、プロジェクト・ミーティング・Eメールなどのタスクに費やした時間を可視化すれば後々非常に役立つでしょう。

4つ目のポイントは、メールやビデオ・音声会議でのコミュニケーションスキルを磨くことです。直接会話のできない中で明確にコミュニケーションを行う能力を身につければ、リモートワークや同僚との連携がスムーズになるはずです。Eメールのスキル向上に効果的な最初のステップは、同僚からのメールを読み返して、良くないと思う文章や書き方を反面教師にすることです。ビデオ・音声会議の場合は15分程度の時間を割き、伝えたいポイントや求められる情報について事前にまとめることで、効果的なコミュニケーションが実現できるでしょう。また同僚と打ち合わせをする際には、どのような情報を共有すれば役に立つかをあらかじめ考えれば、有意義なコミュニケーションができるはずです。今からこうしたポイントを押さえて仕事に取り組めば、コロナ危機後のビジネスの世界で貴重な人材として価値を高めることができるでしょう。皆さんの成功をお祈りします。


本記事は、The Simple Dollar のTrent Hammが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。