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日立、「カーボンニュートラル」に向けた環境戦略を発表 10年間で840億円を投資

2021年2月26日 編集部
環境戦略について発表した日立製作所のアリステア・ドーマー執行役副社長

地球規模の気候変動対策が企業にも求められています。最近では、「どれだけ二酸化炭素(CO2)の排出量を抑える努力をしているか」といったことが、取引先や投資先の選定において重要な指標となっています。

こうしたなか、日立製作所は2月25日、CO2の排出量を2030年度に実質ゼロにすることをめざす「日立カーボンニュートラル2030」の具体的な戦略を明らかにする説明会を開きました。日立は環境価値を創出する企業として、「自社の経済活動」と「環境負荷を軽減するソリューションの提供」の両輪で、カーボンニュートラル社会の実現に取り組みます。

「いまがCO2削減のチャンスだ」

日立製作所のアリステア・ドーマー執行役副社長は、東京・丸の内の本社で開かれた説明会の冒頭で、こう発言しました。

「世界各国はパンデミック危機に苦しめられているが、この間、ひとつだけいいことがあった。それは各国がカーボンニュートラルにコミットしたことだ。いまがCO2削減のチャンスだ」

日立はこれまでもCO2の排出量削減に取り組んできました。2011年度から2020年度までの10年間で、省エネ対策として500億円を投資。設備を導入したり、稼働状態を工夫したりすることで、2010年度に528万トンだったCO2排出量を2019年度には17%減の437万トンに減らしました。

2020年度には日立ハイテク九州(本社:福岡県大牟田市)、日立ハイテクファインシステムズ(同:埼玉県上里町)、日立ハイテクサイエンス(同:東京都港区)の3拠点でカーボンニュートラルを達成しています。

役員報酬も環境評価とリンク

2030年度にはCO2の排出量を「実質ゼロ」に

2030年までの計画を定めた「日立カーボンニュートラル2030」は、投資総額が840億円。省エネルギー関連に600億円、再生可能エネルギー関連に240億円を投じます。これによって電力消費量を22%以上、CO2排出量を24%以上削減することをめざします。「自社の経済活動」だけではなく、「環境負荷を軽減するソリューション」を提供することで、カーボンニュートラルの実現を加速させる考えです。

「自社の経済活動」では、エネルギー消費を最小限に抑える設備更新や改良に取り組みます。再生可能エネルギーを地域別に一括購入することなどで、2030年度には、原材料・部品の調達や工場での製品生産過程、オフィスで使う電気使用で発生するCO2排出量を実質ゼロにすることを定めました。

また、CO2削減をさらに推進するため、環境に対する評価指標を役員報酬額にリンクさせる新制度も2021年度から始めます。さらに、原材料や部品などの調達先に対しても、CO2削減計画をつくるよう要請するなどして、2050年までに、現在のCO2排出量の80%削減をめざすことを定めました。

地球規模で鉄道とバスの電動化を推進

日立は鉄道の電動化を推進している

一方、「環境負荷を軽減するソリューション」としては、主に(1)エネルギー(2)交通(3)インダストリー(製造業)の3分野に注力します。

エネルギー分野では、スマートメーターとブロックチェーンを活用して、再生可能エネルギーの使用状況をスマホで「見える化」するシステムを開発しました。2021年4月以降に提供を始めます。企業の環境意識の向上や再生可能エネルギーを積極的に使う機運を高める効果を見込んでいます。

また、再生可能エネルギーの使用量が増えると、天候などの外部要因による影響も大きくなるため、需給バランスの制御が重要になります。日立ABBパワーグリッドのEMS(エネルギーマネジメントシステム)は、リアルタイム予測と過去データを解析することで、再生可能エネルギーの運用効率を上げ、安定的な電力の供給を可能にします。オフィスや工場などでの導入を進めることで、再生可能エネルギーの使用量増加を後押ししていきます。

交通分野では、世界のCO2排出量の20%が運輸関連であることから、一度に大量の人を運べるバスや鉄道を有効活用することで、高いCO2削減効果が見込めます。このため、今年1月1日に発足した日立Astemoでは、EV(電気自動車)社会の実現に加え、バスや商用車の事業者向けに、EVの充電インフラを提供し、車両の蓄電池の状態を最適化するソフトを提供します。

「EVへの転換に向けて、私たちには過去に培った多くの経験があり、データもたくさん持っている。アドバンテージがある」(ドーマー副社長)

鉄道では、蓄電池ハイブリッド鉄道が英国やイタリアで営業運行や走行試験を始めています。英国で営業運転している蓄電池ハイブリッド鉄道1編成で、年間240トンのCO2削減効果があります。日本国内でも、JR東日本とトヨタ自動車と共同で、2022年に燃料電池ハイブリッド鉄道の試験走行を始めることにしています。

企業とのエンゲージポイントを増やすインダストリー分野

ドーマー副社長はインダストリー分野について、製造業が世界のエネルギー消費の54%、排出量の20%を占めることを指摘したうえで、次のように話して発表を締めくくりました。

「今後、インダストリー分野では、カーボンニュートラルに向けて、日立と各企業の連携を加速していく。グリーンテクノロジーとデジタルを掛け合わせることは日立が成長するためのエンジンだ。企業の課題を解決しながら、CO2削減にもつなげていきたい」

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日立、「カーボンニュートラル」に向けた環境戦略を発表
10年間で840億円を投資


環境戦略について発表した日立製作所のアリステア・ドーマー執行役副社長

地球規模の気候変動対策が企業にも求められています。最近では、「どれだけ二酸化炭素(CO2)の排出量を抑える努力をしているか」といったことが、取引先や投資先の選定において重要な指標となっています。

こうしたなか、日立製作所は2月25日、CO2の排出量を2030年度に実質ゼロにすることをめざす「日立カーボンニュートラル2030」の具体的な戦略を明らかにする説明会を開きました。日立は環境価値を創出する企業として、「自社の経済活動」と「環境負荷を軽減するソリューションの提供」の両輪で、カーボンニュートラル社会の実現に取り組みます。

「いまがCO2削減のチャンスだ」

日立製作所のアリステア・ドーマー執行役副社長は、東京・丸の内の本社で開かれた説明会の冒頭で、こう発言しました。

「世界各国はパンデミック危機に苦しめられているが、この間、ひとつだけいいことがあった。それは各国がカーボンニュートラルにコミットしたことだ。いまがCO2削減のチャンスだ」

日立はこれまでもCO2の排出量削減に取り組んできました。2011年度から2020年度までの10年間で、省エネ対策として500億円を投資。設備を導入したり、稼働状態を工夫したりすることで、2010年度に528万トンだったCO2排出量を2019年度には17%減の437万トンに減らしました。

2020年度には日立ハイテク九州(本社:福岡県大牟田市)、日立ハイテクファインシステムズ(同:埼玉県上里町)、日立ハイテクサイエンス(同:東京都港区)の3拠点でカーボンニュートラルを達成しています。

役員報酬も環境評価とリンク


2030年度にはCO2の排出量を「実質ゼロ」に

2030年までの計画を定めた「日立カーボンニュートラル2030」は、投資総額が840億円。省エネルギー関連に600億円、再生可能エネルギー関連に240億円を投じます。これによって電力消費量を22%以上、CO2排出量を24%以上削減することをめざします。「自社の経済活動」だけではなく、「環境負荷を軽減するソリューション」を提供することで、カーボンニュートラルの実現を加速させる考えです。

「自社の経済活動」では、エネルギー消費を最小限に抑える設備更新や改良に取り組みます。再生可能エネルギーを地域別に一括購入することなどで、2030年度には、原材料・部品の調達や工場での製品生産過程、オフィスで使う電気使用で発生するCO2排出量を実質ゼロにすることを定めました。

また、CO2削減をさらに推進するため、環境に対する評価指標を役員報酬額にリンクさせる新制度も2021年度から始めます。さらに、原材料や部品などの調達先に対しても、CO2削減計画をつくるよう要請するなどして、2050年までに、現在のCO2排出量の80%削減をめざすことを定めました。

地球規模で鉄道とバスの電動化を推進


日立は鉄道の電動化を推進している

一方、「環境負荷を軽減するソリューション」としては、主に(1)エネルギー(2)交通(3)インダストリー(製造業)の3分野に注力します。

エネルギー分野では、スマートメーターとブロックチェーンを活用して、再生可能エネルギーの使用状況をスマホで「見える化」するシステムを開発しました。2021年4月以降に提供を始めます。企業の環境意識の向上や再生可能エネルギーを積極的に使う機運を高める効果を見込んでいます。

また、再生可能エネルギーの使用量が増えると、天候などの外部要因による影響も大きくなるため、需給バランスの制御が重要になります。日立ABBパワーグリッドのEMS(エネルギーマネジメントシステム)は、リアルタイム予測と過去データを解析することで、再生可能エネルギーの運用効率を上げ、安定的な電力の供給を可能にします。オフィスや工場などでの導入を進めることで、再生可能エネルギーの使用量増加を後押ししていきます。

交通分野では、世界のCO2排出量の20%が運輸関連であることから、一度に大量の人を運べるバスや鉄道を有効活用することで、高いCO2削減効果が見込めます。このため、今年1月1日に発足した日立Astemoでは、EV(電気自動車)社会の実現に加え、バスや商用車の事業者向けに、EVの充電インフラを提供し、車両の蓄電池の状態を最適化するソフトを提供します。

「EVへの転換に向けて、私たちには過去に培った多くの経験があり、データもたくさん持っている。アドバンテージがある」(ドーマー副社長)

鉄道では、蓄電池ハイブリッド鉄道が英国やイタリアで営業運行や走行試験を始めています。英国で営業運転している蓄電池ハイブリッド鉄道1編成で、年間240トンのCO2削減効果があります。日本国内でも、JR東日本とトヨタ自動車と共同で、2022年に燃料電池ハイブリッド鉄道の試験走行を始めることにしています。

企業とのエンゲージポイントを増やすインダストリー分野

ドーマー副社長はインダストリー分野について、製造業が世界のエネルギー消費の54%、排出量の20%を占めることを指摘したうえで、次のように話して発表を締めくくりました。

「今後、インダストリー分野では、カーボンニュートラルに向けて、日立と各企業の連携を加速していく。グリーンテクノロジーとデジタルを掛け合わせることは日立が成長するためのエンジンだ。企業の課題を解決しながら、CO2削減にもつなげていきたい」

  • 公開日: 2021年2月26日