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GXで地域全体の脱炭素社会めざす「大みかグリーンネットワーク」とは?

2022年12月15日 清水 美奈

近年、脱炭素社会の実現に向けた企業の取り組みが課題となっています。こうした中、日立製作所の大みか事業所(茨城県・日立市)は、サプライチェーンに加えて周辺地域とも連携し、バリューチェーン全体のカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出実質ゼロ)の実現をめざす「大みかグリーンネットワーク」構想に取り組んでいます。どのような構想なのでしょうか。

脱炭素社会における企業の課題とは?

大みかグリーンネットワークについて説明する日立の千葉大春さん(写真右)

温室効果ガスの削減が社会全体で求められる中、多くの企業では、事業の継続・成長と脱炭素化に向けた取り組みを両立させることが課題となっています。

また、原料の調達から輸送、生産、使用、廃棄まで含めたサプライチェーン全体にカーボンニュートラルの範囲を拡大した「スコープ3」の取り組みも求められており、特に製造業ではサプライチェーンでの温室効果ガスの排出量が多いことから、大きな課題となっています。

こうした中で日立は2022年6月、サプライチェーンや周辺地域と連携し、バリューチェーン全体のカーボンニュートラルの実現をめざす「大みかグリーンネットワーク」構想を立ち上げました。

この取り組みを進める制御プラットフォーム統括本部長の千葉大春さんは「日立の大みか事業所をハブとしてさまざまな脱炭素実証を行い、脱炭素化に関する新しい技術やノウハウを蓄積します。そして、産官学金連携で構築した脱炭素支援ネットワークで、カーボンニュートラルに取り組んでいきます」と説明します。

大みか事業所が「先進工場」に選定

大みかグリーンネットワークの中心となる大みか事業所ではこれまで、IoT技術やデータ分析を活用したデジタルソリューションによって、ハードウェアやソフトウェアの開発・設計から納入後の運用保守まで、バリューチェーン全体での最適化を実現してきました。

さらに、「電力使用量の可視化」や「電力使用のピーク抑制」など、環境に配慮したエネルギーマネジメントにも取り組んでおり、電力や鉄道など重要な社会インフラの安定供給・安定稼働に長年貢献してきました。

こうした取り組みが高く評価され、大みか事業所は2020年に日本の製造拠点としては初めて、世界経済フォーラム(WEF)の先進工場「Lighthouse」に選ばれています。

このような背景の中で構想が進められている「大みかグリーンネットワーク」。多くのステークホルダーを巻き込んで発展させ、脱炭素社会の実現をめざしています。

大みかグリーンネットワークで繋ぐ

「大みかグリーンネットワーク」ではまず、大みか事業所内において、生産管理やエネルギー管理の知見を生かし、コスト削減とCO2削減を両立するGX(環境問題の解決と経済成長の両立に向けて、テクノロジーを活用しながら組織や社会を変革すること)に取り組む考えです。

GXの具体例として、「CO2削減効果シミュレーション」や「CO2排出量削減計画・実績の可視化」があげられます。これらを大みか事業所内で活用することで、自社のカーボンニュートラルを進めます。

次に、地域においては、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの調達と電力系統の安定化のために、需給バランスのコントロールに関する「分散電源制御ソリューション」の構想を進め、地域の再エネ利用の拡大をめざします。

大みかGXモデルで脱炭素社会をめざす

さらに、LCA(製品やサービスのライフサイクルにおける環境負荷を定量的に評価する手法)などを用いて、サプライチェーンのCO2排出量を可視化するための「データ統合管理」と、金融機関のESG経営判断を支援する「サステナブルファイナンスプラットフォーム」を連携。サプライチェーン全体でカーボンニュートラルを実現するための実証実験を進める方針です。

こうした実証実験の成果は今後、他でも活用できるよう「大みかGXモデル」としてフレームワーム化することで、社外にも広げていくことを計画しています 。千葉さんは、一連の取り組みを通じてめざす社会について、次のように話します。

「私たちは、工場経営DXで培ってきた現場知見やデジタル技術、制御技術を駆使し、大みか事業所をハブに様々な実証を進めており、そこで磨き上げた『大みかGXモデル』などを地域やサプライチェーンと共有します。さらに、カーボンニュートラルの達成に向け、産官学金との連携による、地域発の社会インフラエコシステムを形成し、成長可能な脱炭素社会をめざします」

(本記事は、2022年10月に行われた日立主催のイベント「Hitachi Social Innovation Forum 2022 JAPAN」の講演内容をもとに制作したものです)