Hitachi

3次元の映像データを解析して人の行動を計測し
属性も推定できる技術を開発

日立は、人の行動の計測と属性(特徴)の推定を、リアルタイムで高精度に行う技術を開発しました。ステレオカメラ*1で取得した3次元データを解析することで、従来の監視カメラによる2次元データの解析では困難だった、混雑した空間における人の行動の高精度計測を実現。同時に、人の周囲の3次元データを解析することで、人の属性を推定することもできます。


ステレオカメラで取得した3次元データの解析による属性の推定とサービス提供例

属性に応じたサービス提供や快適な都市空間づくりに貢献

人の行動を計測する手法としては、従来から監視カメラやレーザーレーダー、赤外線タグ、GPS機能付き情報端末などがあります。監視カメラの映像データを用いた計測では人のシルエットを検知して位置を検出するのが一般的ですが、混雑した空間ではシルエットを認識することが難しく、人手をかけて画像データを調整するなどの必要があるため、リアルタイムで高精度な計測をすることが困難でした。日立は、長年培ってきた画像認識技術とステレオカメラ技術を活用することで、こうした課題を解決。左右2つのカメラから物体の立体的な3次元データを取得できるステレオカメラにより、混雑した空間でも安定した計測を行えるようにしました。また、人とその周囲の物の形状も立体的に解析することにより、例えば、大きな荷物やベビーカーなどを認識して、それらを持つ人の属性を推定することも可能にしました。今後は、商業施設やオフィス、イベント会場などの空間において、解析した行動や属性のデータに応じたサービスを提供するなど、マーケティングをはじめとするさまざまな分野での活用が期待されています。

*1
ステレオカメラ:一台のカメラの左右に2つのレンズを取り付けたセンサーで、同時に左右2枚の写真を撮影でき、その視差によって奥行き方向の情報を取得することで立体的に空間を把握できる。
  • 公開日: 2015年10月27日