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社会イノベーション

海洋の豊富な風資源を活かす、日立の風力発電システム 海洋の豊富な風資源を活かす、日立の風力発電システム

  • エネルギー

低炭素社会を実現するためには、再生可能エネルギーの普及が欠かせない。東日本大震災後の日本の社会においては、固定価格買取制度の導入により、再生可能エネルギーの導入拡大が加速している。そのような中、風力発電システムの革新的なイノベーションが期待されている。

独自の風車技術とITが融合した、日立の風力発電システム


100年以上にわたる日立の技術が結集された発電機を搭載した2,000kW風力発電システム

近年、世界的な課題となっている地球温暖化の防止に加え、エネルギーセキュリティの観点から、再生可能エネルギーに注目が集まっている。なかでも風力発電は、平地が少なく海洋面積の大きい日本では特に期待されている。

エネルギー分野においてグローバルに貢献してきた日立は、導入拡大が進む風力発電システムの開発・販売にも積極的に取り組んできた。2005年、日立は富士重工業と共同でダウンウィンド型風車を開発。茨城県神栖(かみす)市での実証機運転開始を手始めに、2010年には商用機7基が「ウィンド・パワーかみす第1洋上風力発電所」として同じく神栖市で運転を開始した。日立2,000kW(キロワット)風力発電システムは、ダウンウィンド型の風車で、山岳・丘陵地帯が多く、強い台風や雷が発生する日本の環境に適合させた風車だ。風下側にブレード(羽根)があるため、山岳・丘陵地帯では、地形に沿って吹き上げる風を効率的に捉えることができる。また、暴風停電時においては、風見鶏効果により、自動的に風荷重を受けない向きを取ることができるため、安全性が高く、基礎工事物量の低減が期待できる。国内で本格的洋上風力発電の道を切り拓いたウィンド・パワーかみす第1洋上風力発電所では、このような日立のダウンウィンド型風車の様々な特長が評価された。同発電所は、総出力1万4,000kW、一般家庭およそ7,000世帯分の電力を生み出している。日立は、風量の変化に左右される風力発電を安定的に送配電網に連系させるため、日立の強みであるITを駆使した電力制御技術や系統連系・安定化技術も有しており、トータルソリューションへの貢献も期待されている。


約7,000世帯分の電力を生み出すウィンド・パワーかみす第1洋上風力発電所

浮体式洋上ウィンドファームビジネスモデル確立に貢献

その後、神栖市で「ウィンド・パワーかみす第2洋上風力発電所」の8基が増設されたのをはじめ、現在全国で稼働する日立2,000kW風力発電システムおよそ70基の年間発電量は、一般家庭約7万世帯分の消費電力に相当する規模になった。さらに、日立は市場拡大に対応するため、2011年に風力発電用発電機の製造工場を増設する一方、2012年には富士重工業の事業譲渡によって両社の風力発電システム事業を統合し、発電から電力安定供給システムまでトータルで提供できる体制を整えた。


福島沖の浮体式洋上ウィンドファームの日立2,000kW風力発電システム(左)と66kV洋上変電設備(右)
提供:福島洋上風力コンソーシアム

また、日立は、国家プロジェクトとして10社1大学のコンソーシアムで取り組んでいる福島沖の浮体式洋上ウィンドファームの実証事業に参画し、日立2,000kW風力発電システムと66kV(キロボルト)洋上変電設備を担当した。世界初の「海に浮かぶ66kV級変電所」は、日立が培ってきた変圧器や変電設備のノウハウが大いに活かされている。2013年に運転開始した同プロジェクトは、浮体式洋上風力発電所の安全性・信頼性・経済性を確認するもので、日立の技術が将来のビジネスモデル確立に大きくに寄与することが期待される。

低炭素社会の実現をめざす、日立の洋上風力発電


今後さらなる普及・拡大が期待される風力発電システム

今後は、再生可能エネルギーの普及、拡大がさらに加速すると見込まれている。広大な領海をもつ日本にとって、海洋の風資源を活用する洋上風力発電は大きな可能性を秘めている。日立は、すでに世界初の5,000kW級ダウンウィンド洋上風力発電システムの開発に着手しており、2014年度から実証実験を行う予定だ。日立は、今後も優れた風力発電システムの開発を通じて、低炭素社会の実現に貢献していく。